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 自宅部分の節税方法はAのパターンと同じです。但しAよりも相続人間の不公平感は強くなるので資産の組み換えはより前向きに検討すべきでしょう。とりあえず簡単にできるのは自宅の敷地の一部2110万円分(路線価で計算して夫婦で共有にする)の配偶者に対する贈与の特例を利用することでしょう。
 持ち家に同居人がいないのであれば、自宅を売却して今後の生活資金や納税資金(税金を不動産で納める物納は現在利用が難しくなっています)をしっかり確保したうえで、小さめの自宅に住み替え、すべての相続人に不動産か現金が相続されるように配慮するのもよいでしょう。広い敷地があれば、税理士の多くは銀行からの借り入れで貸アパートの建設を勧めるでしょう。もちろん自宅の立地によっては検討すべきです。
 しかし私の対策はリスクである借金は必要最小限にします。それはまだ日本がバブルの絶頂のころ、私の指示で4億円の借金をして賃貸アパートを建てた歯科医が、バブル崩壊後に自己破産に追い込まれた現実を見ているからです。その方は若くして亡くなりましたが、今でも私の心の傷として残っています。以来20年余、相続対策は、欲を出さないで出来る範囲(借入より資産の組み換え)で行うことを心掛けています。
 相続税の申告を行う際に、遺言書が無い時は相続人全員で不動産の分割を決め遺産分割協議書を作成します。不動産の分割には4つの方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
  1.  現物分割は不動産が複数ある場合、自宅は長男、貸アパートは次男というように具体的に物件を指定して分割する方法です。不動産を売却しないで済みますが、相続できる不動産が自宅のみの場合は自宅を兄弟で分割する訳にもいかず相続人の間に不公平感が残ります。

  2.  換価分割は不動産が空き家の自宅しか無いような場合、相続人がとりあえず共有名義で申告を行い申告期限後に売却し全員に現金で分配します。また不要不動産があれば、これも共有名義で申告期限内に売却し相続人全員に分配して納税資金や生活費等に充当する方法です。この方法はスマートで公平ですが不動産の市況によっては申告期限内に希望価格で売却できない可能性があります。
  3.  代償分割はやはり不動産が自宅しか無いような場合、例えば長男が自宅の土地建物のすべてを相続し、他の相続人にその持分に応じて自分の銀行口座から代償金を支払う方法です
     もちろんこの代償金は長男の相続債務として相続財産から控除できるので長男の相続税の負担額は減ります。この方法も公平ですが長男に現金が無いと話になりません。通常は相続税の試算を行い、その後長男が親を被保険者として終身保険(受取人は長男)に加入して、その保険金を代償金に充当する方法が行われます。
  4.  共有は1~3の方法が利用できない時に臨時に行う分割です。共有は、そのまま放置すると将来的に問題になる可能性がありますが、こうした安易な分割を選択する人は意外と多いのです。
     例えば自宅を子が3人で相続する場合、それぞれ法定相続分の3分の1ずつ共同で所有・管理します。一見、公平ですが利用できるのは一世帯だけです。世帯主が修繕や売却を考えても他の相続人の同意が必要ですし、将来、他の相続人に相続が発生した場合は甥や姪が新たな共有者となり更に合意形成が難しくなります。

  上田会計事務所の資産組み換えの考え方は、1と2をベースにしているともいえます。また私が相続開始前の相談にこだわるのは最近の3つの理由も多少関係しています。
1. 小規模宅地等の特例の適用要件の改正
2. 不動産の物納申請件数の低下
3. 長引く不景気による不動産市況の変化

 平成22年の小規模宅地等の改正によって、相続税の納税資金に充当するため例えば貸し駐車場などの不動産貸付物件(居住用、事業用も同様)の売却が必要な場合でも、50%評価減の特例の適用を受けるには申告期限まで所有することが義務づけられました(配偶者が取得する場合は別)。以前とは異なり申告期限には間に合わないのです
 次に不動産で相続税を納める物納の問題があります。制度自体は残っていますが利用面積比で平成17年の10分の1以下にまで落ち込んでいます。以前の相続対策では利用価値の高い物件は手元に残して、買い手のつかない物件は物納することが税理士の腕の見せ所でしたが財務省もさすがに膨大な不良物件には懲りたようです。現在、物納を計画されている方は以前より明らかに環境が厳しくなったことをご理解ください。物納申請が却下されると納税に支障がでます。当事務所では物納に頼らず生前の不動産の組み換えによって納税資金を捻出する方法を提案しています。
 最後に不動産市況の変化があります。不動産市況は常に変わりますが、長引く不景気のせいか以前と比べると物件の売却に時間がかかる気がします。自由が丘あたりでは常に買い手は現れますが、都心でも駅から離れた古めの貸アパートには空室が目立ってきました。地方では時価よりも路線価の方が高い土地は少なくありませんし、こうした土地は不当に割高な固定資産税や相続税の対象になるだけで誰も買いません。地方の荒廃と共に買い手のつかない不動産エリアは徐々に都市圏に広がっています。郊外の遊休地や底地(時価より路線価の方が高い)などの不良資産は生前に売却することをお勧めします。

 現金の節税方法はAのパターンと同じです。現預金の額によっては相続人全員にそれぞれ均等に収益物件や現金を相続できるように手配すべきでしょう。アパートをそのまま一棟購入するのも良いかもしれません。
 今では常識ですが現金は不動産に変換した方が節税できます(中長期的にはインフレにより日本円の価値そのものが一時的に下がる時があります)。ご希望があれば自宅の時価評価や購入可能物件のシミュレーションも仲間の不動産鑑定士が行います。
 また、暦年贈与の他に相続時精算課税の特例や住宅取得資金の非課税の特例の利用を検討するのも良いでしょう。対策の前後の相続税額の試算により節税を実感して頂けます。話が脇道にそれますが、私は平成14年から金(GOLD)の投資を行ってきましたしクライアントにも勧めてまいりました。金の現物はまだまだ有力な投資商品です。興味をお持ちの方なら雑談レベルですが、売り時、買い時、チャートの読み方をお教えします。

 私の事務所にこうした方が相談に来られるのは珍しいですが、もちろん歓迎します。
 相続税の申告自体は必要無いでしょうが、相続人が複数の場合、例えば長男が自宅を相続してしまうと他の相続人は相続するものが無くなってしまいます。
 そこで私がお勧めしたいのは被相続人が加入する終身保険の活用ですが、高齢になってからの加入だと月々の保険料が高額になるという欠点があります。しかし掛け捨ての定期保険なら毎月2万円程度の(50歳での加入の場合、70歳で加入の場合は毎月6万5千円が必要、健康診断あり)の掛け金で1500万円の保証をしてくれる保険会社もあり検討する価値はありそうです。ご希望があれば保険会社の紹介もいたします。
  また長男が自宅をすべて相続する代わりに他の相続人に法定相続分を長期の分割払い(10〜15年、無利息)で支払う約束をすることで相続人間の不公平を是正するというプランは如何でしょう。財産は少ないほど相続人間の争いは激しくなるものです。Dのパターンの方も遺言書の作成をお勧めします。

 

 以上AからDのパターンの方まで相談は無料です(相続開始後の相談料は相続税や譲渡所得税の申告報酬の中に含まれます)。